松尾芭蕉が足を運び、『閑さや岩にしみ入る蝉の声』の一句を残した景勝地。山形県の観光スポットとして人気の高い『山寺』の奥の院まで登ってみよう!
山寺(宝珠山 立石寺)
一般的には『山寺』という呼び名でおなじみですが正式名称は『宝珠山立石寺』といい、1200年近い歴史のある古刹です。以下では山寺と表記します。
山形駅からのアクセス
電車
JR仙山線に乗車して仙台方面へ5駅の山寺駅で下車。運賃は240円、乗車時間は15分~18分ほどで1時間に1本程度のダイヤで運行されています。駅から山寺の入口までは約400mで徒歩5分ほどです。
バス
山形駅東口から山寺を経由する路線バスもありますが、料金が高い上に時間もかかるのでバスを選択する理由はほぼありません。
自家用車
山形駅東口を起点とすると所要時間は約25分。山寺には駐車場がないため周辺有料駐車場を利用します。料金は1回500円のところが多いですが、「ふもとや 登山口店」の駐車場は1回300円で最安値なうえ山寺入口がすぐ前にあるので断然オススメです。
駅から山寺へ
東北の駅百選にも選定された山寺駅は駅舎が寺社造りというちょっと凝ったデザイン。
売店はありませんが、空調の効いた待合室と飲料自販機があり、きちんと清掃されたトイレもあるし、待合室の裏には大型荷物も入るコインロッカーあり。これなら山形と仙台間をJRで移動する道中で山寺に寄りたい観光客にも好都合。
待合室隣の見晴台からは山寺の姿を下から展望できます。こうしてみるとなかなかの絶壁にお堂(五大堂)が建っていますが、今からあそこまで登りますよ!
山寺は駅を背にして正面やや右方向です。土産店や飲食店が立ち並ぶ門前町を歩いて5~6分。この間にも駐車場がいくつもあります。
山寺入口~山門
『←登山口』の看板のあるこの場所が山寺参拝のスタート地点。飲み物を持参して登りたい場合はここに至るまでで用意しておくと良いでしょう。自販機はここまでの道中にたくさんあります。
階段を登った先にあるのが『根本中堂』で、立石寺全体の本堂に当たる御堂です。まずはここでパンパンと手を合わせて一礼。堂内を参拝したい場合は200円です。
挨拶を終えたら左手へ。鳥居をくぐって日枝神社の境内を横断して進んでいきます。
ここにいました松尾芭蕉、そして旅に随行したとされる弟子の河合曽良です。両足に前後差をつけ、瞬時に立ち上がれる姿勢で休んでいるのはさすが忍びの者。弟子はまだまだ未熟のようで。
鐘楼と売店が見えたらそろそろ山登り始まりの合図です。
登る前に売店に立ち寄り食べていく、というのが山寺名物の力こんにゃく~。玉こんにゃくを食べてパワーを補充!という古くからの由来ですが、現代で解明された超低カロリーという真実。でもお腹と旅気分は少し膨らみます。
山門~
売店の前にある山門から先は有料エリアとなり、大人300円・中学生200円・小学生100円をここで支払ったら登山開始!奥の院までの階段は1015段、張り切って登りましょー。
歩きやすい参道
いや~道が綺麗に整備され、石段の高さもほぼ均一なのでなんとも歩きやすい。階段→踊り場→階段→踊り場、の繰り返しが多いので傾斜もゆるめ。
奥の院に至るまでほぼこんな感じなので、呼吸と足腰への負担は思ったよりも軽めです。5分ほどで270段地点まで到達、となると単純計算で登山口から奥の院までは約20分ということになりますね。
奥の細道!?
全体を通してすれ違いも余裕な幅広い道が続くのですが、ごく一部だけ狭くなっている箇所があります。これがかの有名な奥の細道なのですって!
すれ違ったご夫婦が真顔でそう言っていたのだから間違いない。実際、仙台から山寺に至る峠道の細さから奥の細道となったという有力説もあるので、ここがその可能性も0ではない!こういうのは空想ロマンでも良いと思います。(でもここではないと思います)
参道の中でも特にこのあたりの景色が岩場に苔むして良い雰囲気。芭蕉はこの景色に『閑さや岩にしみ入る蝉の声』の句を詠んだそうですが、一句詠みたくなってきましたか?
このそびえ立つ岩壁の上にもお堂が、なかなか恐ろしい場所に建っているなぁ…。というのは後ほどわかりやすい角度から説明します。
お、門とお堂が見えてきた!
仁王門
ここまでくればもう勝ったようなもの。この先には人類の文明が広がっているのです。
仁王門の階段を登りきったところが性相院。ここまで15分で登った階段は740余段。
階段はさらに続いて奥の院まで残り260余段。ですが、ここで一旦登るのを休止して横道にそれましょう。
五大堂
奥の院とは反対側を向くとそこには岩の上に建つ開山堂、その左側には小さな納経堂があります。
開山堂をさらに右奥へと進んでいくと…
山寺で最も有名な景色を望める五大堂に到着。ここが駅から見えたあのお堂です。
山寺を紹介するガイドブックにはほぼ五大堂から見下ろす写真が使われる。と言ってもいいくらいの景色がこちら。
奥へと伸びる集落の先にあるのが芭蕉が歩いた、細道の由来となったとも言われる二口峠です。もっと広角で見るともう完全に長閑。コンビニが一軒もないほど長閑です。
ただこの景色は写真では物足りないと思います。三方向が開けた開放感も含め、現地に行ってこそ『ここいいなー!』と言えるのかなと。
オススメフォトスポット
山寺のフォトスポットとしてはまず五大堂、そして開山堂や仁王門を推す声が多いようですが、自分的に一番オススメしたいアングルは少し違います。それは開山堂の前から性相院の方向を見たこの景色!段々畑ならぬ段々寺院、棚田ならぬ棚寺!
これを広角で撮影するとまた斜面の凄さが際立ちます。仁王門から奥の院までこのように段々となって建物が続くのです。
『これこそ山寺でしょ!』って感じのするこのアングルを撮影しないともったいないと思うのは自分だけ?五大堂の帰りには是非ここで足を止めてみてくださいな。
そして登っている途中で『のちほど説明します』とした岩壁に建つお堂ですが、ここからが見やすい角度。お堂の奥にある岩壁の右上に見えるのがそうです。
なかなかヤバそうな場所に建っているけど行ってみたい…。と探ってみましたが、岩場に入る道は関係者以外立ち入り禁止。そりゃあそうですよねー。
観光的にはここまででも満足できますし、実際ここで折り返して行く人の姿もちらほら。しかし参拝的にも折角ですし、ここから約5分なので奥の院を目指しましょう。では再び階段登りを開始。
奥の院へ
ここからは性相院横の階段をただまっすぐ登っていくだけ。
山頂売店とトイレ
奥の院手前にある山頂売店では登山記念グッズや飲み物が手に入ります。トイレはこの奥にあり、登山口以降でここだけになります。
最上義光公御霊屋や毎日回収にくる郵便ポストを横目に通り抜け、あとはこの階段を登ればゴール!建物の左側が大仏殿で右側が奥の院です。
奥の院でパンパン、一礼!
はい、お疲れ様でした!ちなみにここからの景色はあまり見晴らしがよくありません。景色を楽しむならば五大堂までの道のりが良いですね。といったところで山寺参拝の主たる内容は以上になります。最後にまとめ!
山寺参拝(登山)のまとめ
登るのはきつい?
登山と聞いて大変そうと思うかもしれませんが、意外と楽に登れます。本当に1000段も登った?って思うほど。整備が良くて傾斜もそこまできつくないため、大きく息が切れるほどの道のりでもありません。これなら小さな子供からご老人でも問題なし!
山頂までどのくらい?
登山口(山門)から奥の院まで寄り道せずに1015段登って20分~25分ほどです。自分は周囲と同じペースで、時に写真撮影をするため立ち止まりながらでも20分で登れました。五大堂までなら20分かかりません。夏場と積雪時には+5分くらい見積もればいいかと。もちろん所要時間には個人差がありますが、中には片道40分以上と紹介する情報も見られます。これは本当に自分で登ったのだろうか?とさすがに疑問です。
服装は?装備は?
普段の服装と靴で大丈夫、極端に言うとヒールでも登れます。手すりもしっかり完備していますし、登山ポールなどはむしろ邪魔になるくらいです。
携帯電話の電波は?
奥の院の前が少し弱いくらいで、全体を通してはビデオ通話ができるくらい良好です。
山寺(立石寺) | |
住所 |
山形県山形市山寺4456-1 |
営業時間 |
8:00~最終受付16:00(冬季は~15:00) |
定休日 |
年中無休 |
所要時間 |
登山道往復約40分+滞在時間 |
入場料 |
大人300円・中学生200円・4歳~小学生100円 |
駐車場 |
周辺有料駐車場利用 |
公式URL | https://www.rissyakuji.jp |
>> 続きを読む
2024年 ええじゃないか豊橋まつり 開催情報と現地解説|日程・駐車場・場所・アクセス・出店・スケジュール
>> 続きを読む
2024年 だて農業・漁業・大物産まつり開催情報|日程・駐車場・場所・アクセス・イベント内容
>> 続きを読む
2024年 根室さんま祭り開催情報|日程・駐車場・場所・アクセス・イベント内容
>> 続きを読む
2024年 ご当地キャラ博 開催情報|日程・駐車場・場所・アクセス・イベント内容・参加キャラクター
>> 続きを読む
2024年 川越まつり 開催情報|日程・スケジュール・駐車場・場所・アクセス・屋台・見どころ
>> 続きを読む
2024年 久世祭り(だんじり) 開催情報|日程・スケジュール・駐車場・場所・アクセス・出店・内容
>> 続きを読む
コメントをお書きください