かつて北海道で最も栄えた街である江差町。その地で江戸時代から続き、北海道最古のお祭りとも言われる絢爛豪華な姥神大神宮渡御祭。
ここではその開催概要「日程・時間・場所・コース・見どころ・駐車場・交通規制・スケジュールなど」と現地の様子を解説していきます。
令和6年 開催概要
日程・時間・スケジュール
期間 |
2024年8月9日(金) ~11日(日) |
備考 | 毎年同日開催 |
初日の8月9日は準備・ウォーミングアップ的な日で、一般観光客的にとって見どころがある日とは言えません。本番は2日目と3日目。その見どころとなるのが「神輿宿入れ・山車巡行・全山車揃い競演」です。
8/9 |
宵宮祭 <遷霊祭> |
午前中 | 各町内で山車準備 |
子供中心の山車巡行 | |
19:00 | 遷霊の儀 |
先山車定め |
8/10 |
本祭 <渡御祭> |
昼頃 | 各町から姥神大神宮前に山車が集結 |
12:20 | 神輿渡御行列出発 / 姥神大神宮 |
13:00 | 山車巡行開始 / 下町コース |
20:00 | 山車勢揃いのお囃子競演 / 愛宕町 |
21:20 | 山車が集結開始 / 姥神大神宮 |
全山車勢揃い競演フィナーレ | |
22:30 | 解散 |
8/11 |
本祭 <渡御祭・遷霊祭> |
昼前 |
各町から姥神大神宮前に山車が集結 |
11:20 | 神輿渡御行列出発 / 姥神大神宮 |
11:50 | 山車巡行開始 / 上町コース |
20:45 | 山車の集結開始 / 新地町 |
全山車勢揃い競演フィナーレ | |
23:00 | 解散 |
会場・場所・アクセス
会場 | 姥神大神宮、その他町内一帯 |
場所 | 江差町姥神町98-99 |
自家用車 | 函館市中心部から約90分 |
バス | 函館駅・新函館北斗駅→(函館バス610系統)→姥神町フェリー前 |
2日目は姥神大神宮前に、最終日はホテルニューえさし前に本部が設置されます。しかし山車や神輿はほとんど町内を巡行しているため、この場所が会場とは言い難い。確実なのは「21時に本部前」、これで両日ともクライマックスを観覧できます。
交通規制
巡行に際して交通規制が入ります。しかしあまり気にする必要はありません。駐車場も一部規制の影響を受ける時間帯がありますが、少しの迂回で問題なく利用できます。
10日 下町巡行
■車両通行禁止
11:00~15:00 19:00~23:00 |
姥神~中歌 いにしえ街道 |
15:30~20:00 | 新栄町一帯 |
18:00~21:30 | 愛宕町一帯 |
■片側交互通行
14:00~17:00 | 豊川町通り |
11日 上町巡行
■車両通行禁止
10:00~14:00 | 姥神~津花 いにしえ街道 |
12:50~16:00 | 茂尻・海岸町旧国道 |
14:00~18:00 | 駅前通り |
17:00~24:00 | 上町商店街一帯 |
■片側交互通行
12:00~14:00 | 国道228号線(津花~茂尻バス停) |
姥神大神宮渡御祭の見せ場
神輿宿入れ(神輿渡御)
町内を巡行して姥神大神宮に戻ってきた神輿を待ち受けている最後の儀式が神輿宿入れ。10日と11日の両日とも行われるその内容は…
『松明を持った白丁子8人が左右4人ずつ向かい合い、鳥居下から拝殿の階段までの参道を火で掃き清めるように駆け登ります。続いて白衣の若者に担がれた神輿も石段を駆け登りますが、一度では拝殿に入れずに拝殿の直前まで行っては鳥居まで戻る、を繰り返さなければなりません。3基ある神輿は、1基目は7回目、2基目は5回目、3基目は3回目でようやく入ることができるという決まり。担ぎ手が汗だくになりながら拝殿まで到達するという姿に周囲は拍手で迎い入れる。』
という見せ場の1つです。注意すべきは執り行われる時間です。2019年までは夜に、2023年は夕方に行われており、2024年に関してはまだ公表されておりません。
山車巡行
全13台の山車が昼に姥神大神宮を出発し、夜まで長時間をかけて町内を巡行します。運行コースは2日目が下町、3日目が上町とそれぞれ異なり、下記のようなルートとなります。
【画像出典:江差町観光情報ポータルサイト】
全山車が揃い祭り囃子を競演
山車巡行の中で全13台の山車が一同に介してお囃子の競演に熱狂する。この風情溢れる光景が最大の見せ場であり、期間中に計3回行われます。
まず『1回目は2日目の20時頃』です。山車巡行の道中で愛宕町の商店街に勢ぞろい。一直線に並んだ山車のお囃子競演が祭りの風情を掻き立てます。
ここでの競演は一斉にというより各々が自由に演奏した結果として競演になっている、という感じなので迫力では残る2回に劣ります。ただこのタイミングであれば山車に接近して飾りや細工をじっくりと鑑賞することも可能!
20時30分頃。愛宕町での競演を終え、山車は姥神大神宮を目指して再び巡行を始めます。
ここで引き手の様子にご注目。女性と若い子たちは比較的元気に綱を引き、演奏し、笑顔で掛け声を挙げています。
一方ここまでたっぷり引き疲れたであろうお父さん達はぐったり下を向き、もう声にならない様子。『若い子にはついていけないよ』と背中で物語っているかのようです。
おっと山車の上にもぐったりさんを発見!もう完全に飽きている子やすごい体勢のまま眠ってしまっている子も。
すでに21時を過ぎていますし、幼児には大変でしょう。でも自分としては幼児期にこんな体験をしたかったと羨ましくも想います。この経験が将来に繋がってくれることを願うばかり。
おや?一列で進んでいるはずの山車が何やら横並びに?ここで始まるお囃子合戦!どちらがより盛り上げられるかのこの煽り合いも見どころの1つです。
続く2回目の勢揃い競演は「同日22時頃」です。姥神大神宮前に戻ってきた山車がアナウンスと拍手で迎え入れられ、次第に整列していきます。そして全13台が揃い、再び競演を開始。この日最後の見せ場を演出します。
22時30分の解散の時刻が近づくと、役員らしき人たちが輪になり締めの儀式を始めます。代表者が力強い歌声を披露し、拍手でお開き。お疲れ様でした!
となるはずなのですが、ここからしばしの余韻タイムが始まるのでした。
3回目の勢揃い競演は、最終日となる「3日目の21時頃」です。ホテルニューえさし前に山車が続々と集まってきます。その際に会場スピーカーにて各山車の労をねぎらうアナウンスが入り、観客からの拍手に包まれます。
そしてそこから約2時間にもわたって会場全体が狂喜乱舞の大盛りあがり。という最大のクライマックスで祭りの幕を閉じるのです。
動画
歴史の浅い北海道にこんなお祭りがあったんだ…。と心に響いた姥神大神宮渡御祭。祭りにかける想いと伝統が江差町にありました。さすが北海道最古のお祭り、北海道民には特に知ってもらいたいお祭りです。
以上、姥神大神宮渡御祭の開催概要をお伝えしました。北海道とはいえこの時期の日中はかなり気温が高くなることも当たり前なので、熱中症には気をつけてくださいね。
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